#15 古池や蛙飛び込む水の音
こんにちは、ノリコです。
突然ですが、松尾芭蕉の俳句です。
古池や蛙飛び込む水の音
多くの人が一度は聞いたことがあるだろう有名な俳句です。が、あまり深く考えることはないでしょう。カエルが池に飛び込んで音がした。ふーん・・・
ちなみにカエルは何匹でしょうか?古池はどこにあるのでしょうか?
1匹?
たくさん?
山の中?
町の中?
私は1匹だと思っていて、すごく静かな山の中の池を、なんとなく想像していました。
だって静かな環境じゃないとカエルが水に飛び込む小さな音が聞こえないと思ったから。
実際には、カエルは1匹だけれど、場所は町中、しかも池でもなかったようです。
この句の誕生のきっかけを、門弟の一人が書き残しています。
ある日、芭蕉は隅田川のほとりの芭蕉庵で何人かで俳句を詠んでいたら、庵の外から蛙が水に飛びこむ音が聞こえた。
そこでまず「蛙飛こむ水のおと」と下の七・五ができた。
その後で、「古池や」を組み合わせたというのです。
日本では田んぼから聞こえるカエルの合唱は昔から人々に親しまれてきました。
カエルが歌に詠まれることはあっても、それは鳴き声でした。
しかし、この句では鳴き声ではなく、水に飛び込む音が詠まれた、というのがすごく画期的なことだったんですって。新しい視点の発見だったんですね。だから有名なんです。
でもね、この説明だと、芭蕉はポチャンという音は聞いたけど、カエルの姿は見ていないんじゃないのかな。誰かが石を投げたのかもしれないし、小魚がジャンプしたのかもしれないし。
芭蕉が、あ、あの音は質量的にもカエルだな、と鋭く思ったのでしょうか。ゲコ、という声がしてからのポチャン、だったのでしょうか。
これは完全に私の憶測ですが・・・
句会で頭をひねっていた時に、そとでポチャンと水音がした。
芭蕉はこの音で一句作ろう、と思い、ふと、カエルだったら面白いな、と思ったのじゃないかしらん。つまり、現実に存在したのは水音だけ。
いやいや、その音さえも本当に芭蕉は聞いたのでしょうか?
水のことを考えていて、頭の中だけで鳴った音かもしれない。
つまりオール想像の産物??
ありえなくはないですよね。だって芭蕉だもん。(知らんけど)
なんだか、最初のイメージとだいぶ変わってきました。
山の中の静かな池でカエルが飛びこむのを見て作った句じゃないことだけはわかりました。
へええ。